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大麻使用ではなく飲酒が原因 ― 未成年者による脳発達へのダメージ

大麻使用は未成年者の発達に大きな害をもたらすと言われてきましたが、実際にはアルコールが原因であることが最近の研究によってわかりました。

禁止論者や恐怖を煽るメディアは、未成年の大麻使用が脳の損傷を引き起こす可能性を訴え、大麻の見直しに対する大衆の支持を抑え込もうとする傾向にあります。

しかし、こうした主張は古い研究に基づいたものであり、科学者の研究により、現在は大麻ではなくアルコールが発達上の問題を引き起こすことが判明しています。

生物学的精神医学ジャーナルの中で新しい研究[1]が発表され、大麻ではなくアルコール摂取によって青年期の脳発達へのダメージを与えることがわかり、多くの証拠が裏付けています。

この研究では436人の双子の協力を得て、生涯にわたって薬物摂取とアルコール摂取に関するデータを収集し、また研究者は各被験者の双子が24歳になった時点で脳内のある領域の厚さを調べるためにMRIスキャンを撮りました

通常の研究では、被験者各自の遺伝的要素や家族環境による影響に関して判断が難しいという交絡因子の問題があります。

しかし双生児研究の場合、ほぼ同一の遺伝子と家族歴を持つので、双子の被験者2人を比較する上ではこの交絡因子を簡単に除外することができるのです。

以前からニューロイメージング研究によって、個人の知的能力と脳の大脳皮質の厚さには関連性があることがわかっています。

この研究では、各被験者のある重要な脳領域の厚さをいくつかスキャンし、青年期に薬物を摂取しなかった双子と、青年期に飲酒もしくは薬物摂取をした双子を比較して、薬物を摂取しなかった双子の方が大脳皮質が厚いかどうかを調べました。

研究の結果、10代で飲酒量が多かった双子は、飲酒量が少なかった双子よりも大脳皮質の発達に遅れがあることがわかったのに対し、大麻使用と大脳皮質の厚さに関連性は見つかりませんでした。

「大麻使用と大脳皮質の厚さには有意な関連生は認められなかった」

と、研究著者は述べており、NORML(大麻に関連する矛盾の明確化に努めるアメリカの非営利団体)は以下のように発表[2]しています。

「大麻特有の効果を除けば、文献調査や大規模なサンプル研究結果とも一貫性があり、大麻使用で言及されている影響は、むしろ大麻と同時に摂取しているアルコールによる影響かもしれないという証拠とも一致しています。」

この研究結果は、最近発表された調査研究の結果も裏付けており、2017年にはアルコール摂取による脳への損傷を示す有力な証拠が同様の研究でわかっています。

大麻使用に関しては、成人期および青年期における脳損傷との関連性は発見されておらず、また、2016年の別の双生児研究でも、10代の大麻使用と成人期の神経認知的問題を関連付ける証拠も見つかりませんでした。

2012年のデューク大学の研究者チームの発表によると、10代で大麻を使用した人は、10代で使用しなかった人に比べて知能指数が低いという内容が示唆されました。

禁止論者たちはこの発表を擁護しましたが、科学者たちはこの発表に懐疑的で、深刻な欠陥がいくつかあると指摘しました。

そして2019年、今回の研究著者たちは、この2012年の研究発表を真っ向から批判し、ここで示唆されている知能指数の低さは、大麻が原因ではなく社会経済的な原因によって引き起こされるものだと示しました。

今回の研究では、10代の大麻使用に関する根拠の薄い見解を明らかにし、その上未成年者のアルコール乱用が引き起こす危険性に関しても独自的な見解を示しています。

研究著者は以下のように述べています。

「この研究によって、アルコールの影響で制御/顕著性ネットワークの皮質の厚さが減少することは新しい証拠となり、アルコールの大量摂取による脳への影響と、また遺伝的にアルコールの乱用傾向がある人の乱用前の脳の特徴を示せる可能性が高いです。」

また「アルコールに関連するこの2つの因果関係は、二重の効果があり、若者の飲酒防止のための公衆衛生およびその予防策に関しても重要かつ補足的な影響があります。」と、付け加えました。

【参考】
[1]PubMed:The Effects of Alcohol and Cannabis Use on the Cortical Thickness of Cognitive Control and Salience Brain Networks in Emerging Adulthood: A Co-twin Control Study
[2]NORML:Twin Study: Alcohol Use, But Not Cannabis Use, During Young Adulthood Linked with Reductions in Cortical Thickness

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Kohei

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